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Fatwood

 

「太い木」ではない。





Fatは油脂、つまり樹脂を多く含む木の事。

pitchwood(ピッチウッド)とも呼ばれ、少量でも火力があり燃焼時間も長いことから、薪ストーブの
焚き付けとして売られている事が多いようだが、野外活動での使用を対象として、LIGHT MY FIRE社
から"マヤスティック"の名でも発売されている。
残念ながら日本国内でのマヤスティックの取扱いは終了してしまったようだが、ファイヤースチール
などの器具で着火し易いよう、マヤスティックをフレーク状にした"マヤダスト"は現在も販売が
継続されている。


   Light My Fire(ライトマイファイア) マヤダスト(点火用木屑)

   フレーク形状から見ると、おそらく電気鉋で削った木屑。
   Maya Dustマヤダスト


ファットウッドに興味を持ち、一度使ってみたいと思い始めた頃は既に330g入りである
マヤスティックが売られていなかったので、買うとすれば麻袋に入った1.8kgの物だった。


   


しかし買ったとしてもどうせ使い切れないだろうと思い、ずっと購入を躊躇したままでいた。
少量入手出来ないか隣町の薪ストーブ専門店を当たってみた事もあるが、売ってないどころか
その店の人はファットウッドそのものを知らない様子だった。
(最近、ジョイフル本田の薪ストーブコーナーで、鉄製の専用スタンドとセットでファットウッドが
売られているのを発見。値段は忘れたけど結構高かったような。)



   ※ 最近調べ直してみたら、いつの間にかマヤスティック販売再開されてました(汗
   ライトマイファイアー マヤスティック Light My Fire MayaSticks



樹脂を多く含む木にも色々あるだろうが、マヤスティックは"pino de ocote (ピノ・デ・オコテ)"と
いう木の切り株から作られていると商品説明にある。

 メキシコの南、カリブ海と太平洋にまたがるグアテマラは情熱の地で神秘的な古代マヤ文化の
 発祥地である。その高地の地域において「ピノデオコテ」は自然に育ち、また、個々100年
 以上マヤインディアンの部族によって植林されている。この「ピノデオコテ」は樹脂が豊富に
 含まれる木材でその切り株からマヤスティックが作られ、また、この木は「ファットウッド」の
 名称でも知られ古代の効果的な焚火やバーベキューの着火材として現在も用いられている。


ピノ・デ・オコテって何ぞ?と思い調べてみると、Pinoはスペイン語で松の事。
ocoteも翻訳してみると松。「松の松」? よく分からぬが、松の木の一種であるらしい。
確かに松の木は部位によってヤニが多く含まれている。
立ち木・材木に関わらず、ヤニが吹き出し垂れているのを見たことがある人も多いだろう。



ファットウッドの正体が単なる「ヤニっ気の多い松の木」と分かれば、わざわざ買わずとも自分で
調達可能なのではと思い更に調べてみると、松の木は根や根元部分が特に樹脂を多く含み、朽ちかけた
切り株でも樹脂を多く含んだ部分が腐らずに残っていたりするとの事だった。
日本でも古来より、篝火には松の根を用いた「松明」を使っていた経緯がある。
何が何でも「グアテマラ産のピノ・デ・オコテでなければならない」という訳ではないのだ。
それならばと近隣の松林を数ヶ所当たってみたが、残念ながら都合良く見つける事は出来なかった。

それから月日が流れた去年の暮れ、とある事を思い出し心当たりを当たってみたところ
こういう物を手に入れることが出来た。


   Fatwoodファットウッド


垂木(角材)の木っ端。
しかし、ただの木っ端ではなく松ヤニを多く含んだ物、つまりファットウッドなのだ。
太さ30mmx40mmと、それほど太い角材ではないが、ヤニが染みているせいでズッシリと重い。
これはロシアあたりから輸入されている材木で、樹種はおそらく赤松、もしくは唐松。
建築用の材木にはこういうヤニが染みている部分が時折紛れているが、ここまでたっぷり染みている
物はそんなに多くないとの事。
貰って来てから約11ヶ月以上軒下に放置していたのだが、特にヤニが多いと思われる物は
ヤニが表面へ吹き出し固まっている程だった。


   Fatwoodファットウッド

   Fatwoodファットウッド


更に最近、海外通販を利用した際に8本入りのファットウッドを試しに買ってみた。
中にはとても軽い物も混ざっており、ヤニの含有量にはかなりバラツキがあるようだ。

   283gで$1.69(日本円で約137円)
   Fatwoodファットウッド

   Fatwoodファットウッド


この中から重い物を2本選び、角材の木っ端と合わせて先日のキャンプに持って行って燃やしてみた。


垂木

   Fatwoodファットウッド

   Fatwoodファットウッド


ファットウッド

   Fatwood

   Fatwood


垂木は1発着火。ファットウッドは削り方が悪かったのか5回ぐらい掛かって火が着いたが、どちらも
黒い煤を出して勢い良く燃え、燃焼時間も少量の木屑の割には長かった。
画像には無いが、垂木を10数cm程に切って焚火に放り込んだところ、火勢が一気に強まりその時間も
驚くほど長かったので、マヤスティックの商品説明にもあるように「バーベキューの着火材」、つまり
炭熾しの着火材としても有効なのだろう。

今までファットウッドの購入を躊躇していたのには、もうひとつ理由がある。
自分には焚火の着火材としてしか使い道が無いのだが、これまで悪条件下での焚火をした事が
無いせいか、着火には新聞紙一枚あれば大抵充分だったりする。
容易に入手出来る新聞紙を差し置いて、わざわざ買ってまでファットウッドを使う理由が見つから
なかったからだ。

しかし、ただ単に火が着けば、単に木を燃やせばそれで良いというものものでもなく、薪の種類から
焼べ方など、色々と拘りを持って焚火をする場合もあるだろう。
そういう焚火に於いてトーチバーナーは無論、紙屑、ゲル状や木質繊維に油脂類を染み込ませたような
着火材は出来れば使いたくない。
そんな時、このファットウッドはナチュラルティンダーとして、拘りの焚火の着火という重要な役割を
担うことが出来る筈だ。
燃焼力が強いので不測の事態に備えるという意味も含め、今後は焚火道具の中へ常にファットウッドを
数本忍ばせておこうと思っている。


   Fatwood with Firesteel


こんな感じで、ファットウッドの小片に穴を開けてランヤードに通し、ファイヤースチールと一緒に
しておくのも良いだろう。





よく燃えるヤニっ気の多い松の木

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着火はこれが簡単でいいですね

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本当なら直火がいいけど・・・やっぱり、あると便利です。

 

出来れば薪の種類にも拘りたい

 
by swedishcooker | 2010-12-07 20:07 | ■道具
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