それは唐突に 其之伍

飯は食った。さて、何するか。

何もする事が無い。
キャンプ自体が目的で、まだアレをしたいコレをしたいというのは無い。
燃料の残ったアルコールバーナーに火を点けボーッと眺める。数分で燃え尽きる。
まだ赤みの残った炭を弄る。炭の欠片が灰になるにつれ夜も更ける。

いくらか周囲も静かになってきたので、ランタンの灯を落とし
テントに入り眠ろうとするがまだ暑い。
奥の方のサイトから時折話し声も聞こえる。
またもや眠れず悶々とする。うつらうつらしては目が覚める。
それを何度か繰り返すと、ようやく涼しくなりシュラフに潜り込む。
すんなり寝付く事が出来るならば、床に就いてから眠りに落ちるまでの間が至福の絶頂。

朝早く目覚める。
テントの入り口を開けると清々しい景色が広がる。空気も澄んでいる。
昨夜眠れず悶々としたのが嘘のように爽やかだ。
まだ周囲は静けさを保っているので、シュラフに潜ったまま暫し景色を眺める。
もう一日この爽やかさを味わいたいが、帰らなくてはならない。実に名残惜しい。

インスタントでも美味しく感じるコーヒーを飲み終え、道具を片付ける。
テントを撤収し車に積み込む。サイトを整え受付に挨拶をし
後ろ髪引かれる思いでゲートを出る。

このまま帰路に立つのも勿体無いので、もう一か所候補にしていたキャンプ場を下見するため
山の裏側へと車を走らせる。
ここも湖畔だが湖水面より遥かに高い場所にあり眺めも良い。

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「うん、次に来る時は此処にしよう」

こうしてキャンプ再デビューを果たした。
無計画で唐突ではあったが、それもソロの強みだろうか。
きちんと計画を立てて出掛ける人が殆どだろうが、自分の場合
無計画的な方が向いている気がする。

二週間前の出来事を書いている今、またウズウズが始まった。

おわり

 ※Oct 25 2008 修正加筆
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# by swedishcooker | 2007-10-02 13:16 | それは唐突に

それは唐突に 其之四

1時間ぐらい眠っただろうか。 携帯の着信音で目が覚める。
明後日仕事が入ったとの連絡だった。
取り敢えず1泊してみて、良かったら連泊しようかなと思っていたのだが
何が何でも明日帰らなきゃならなくなった。
残念だが仕方がない。

いつの間にか風が吹いている。 焚火をしたくて薪と焚火台を持って来ていた。
自分が居る区画はどうやら風上のようだ。
どうしようか迷ったが、他のキャンパーを煙で燻す訳にもいかないので中止する事に。

薄暗くなって来たのでランタンを灯し晩飯の支度をする。
メインランタンはコールマンのフロンティア・スタンダードCPS。
これを選んだ理由は単に在庫処分で安かったから。
テーブル用に買ったのは同じくコールマンのトレッキングランタン。
小さい割に明るいようなので購入。マントルはフロンティアと共通だった。
どちらも使ってみて特に不満は無い。

晩飯のメニューは焼肉と卵スープ。 米を炊き始めると同時に炭を熾す。
米炊きに選んだ道具はスウェーデン軍のメスキット。巷で「スウェーデン飯盒」と呼ばれる物。
風防兼五徳と飯盒、燃料ボトルそしてトランギアのアルコールバーナーがセットになっている。
自宅で何度か米炊き練習したので不安は無い。

焼肉に使うのはネイチャーストーブS。
炭熾しが初体験なので少々不安ではあったが、着火剤とトーチ併用で難なく炭熾し出来た。
卵スープはフリーズドライなので湯を沸かすだけ。「さて、何で湯を沸かそうか」
スウェーデン飯盒の蓋で沸かす事も出来るのだが、炊いた米を蒸らすのに
飯盒を逆さまにしたため飯粒がこびり付きまくっている。これで沸かすのは気が引けた。
どうしようか考えながらテーブルの上を見渡すと、使ってないクッカーがひとつある。
試しにそのクッカーをスウェーデン飯盒の風防五徳に入れてみたらピタッと嵌る。
ちなみにそのクッカーはスノーピーク・チタンパーソナルクッカーセットの
中にスタッキングされた小さい方。

肉を焼き始め、炊きたて熱々の飯をクッカーによそう。
ランタンの光では肉の焼け具合がよく分からないが勘で焼く。肉を口に放り込み噛みしめる。

「旨い! 気絶しそうなくらい旨い!」

肉を飲み込まぬうちに白飯を口に入れる。肉とタレと米のハーモニー。
どこかの饅頭ではないが旨過ぎる。キャンプで食う飯がこんなに旨いとは。
汗だくになりながら晩飯を食い終え、あまりの旨さに暫し呆然とする。

つづく

 ※Oct 25 2008 修正加筆
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# by swedishcooker | 2007-10-01 02:54 | それは唐突に

それは唐突に 其之参

山道の国道を暫く走る。
思ったより道幅が狭い所もありカーブも多いが、まだまだ濃い緑に心が洗われる。
初めて通る道というものは幾ら走ってもなかなか目的地に近付かない気がしてしまうが
今日は全然そんな気がしない。
大きな街を抜けトンネルを幾つかくぐる。

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あの山が見えて来た、何年振りに見るだろうか。目的地は近い。

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山の麓にある湖の畔で昼食を済ませ、目指すキャンプ場に電話をしてみた。

 「あのう、予約してないんですが・・・」
 「大丈夫ですよ」

やった、泊まれる! 車の中で小さくガッツポーズ。
チェックインまで暫し時間があったので湖の周りを一周ドライブ。
その後食糧調達のため、町のスーパーに寄る。
 「晩飯何にしよう・・・」
料理のレパートリーは少ない、ここはやはり肉で行くしかないだろう。
奮発して普段あまり食えない値段の肉、そして野菜と炭を買い込み、いざキャンプ場へ。

木立の中を通りドキドキしながら受付を済ませる。
山と湖と青空、思い描いていた最高の景色に興奮しつつサイトを物色。
波打ち際のサイトは残念ながら既に埋まっているようなので
芦原に面した林間サイトに決定。
横に細長い区画で、入り口から奥へ3分の2入った真ん中に松の木が生えている。
車、タープ、テントの配置に頭を悩ませるも何とか設営完了。

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お湯を沸かしコーヒーを飲む。旨い、凄く旨い。インスタントなのに。
運転疲れもありホッとしたせいか、椅子に深く座ったまま眠ってしまった。

つづく

 ※Oct 25 2008 修正加筆
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# by swedishcooker | 2007-09-29 11:49 | それは唐突に

それは唐突に 其之弐

で、結局出掛けてしまった。

向かった先はガイド本に載っていた某湖畔のキャンプ場。
以前から気になっていた所で、まずは此処に行こうと決めていた。

 「あ、予約してない・・・・・けどまぁ、どうにかなるべ」

隣の県なのでそれほど遠くはないが、出発時間が昼の12時と遅かったので
取り敢えず途中で車中1泊してからと思い、ノンビリ下道ドライブ。
国道を降りて海沿いの道を走ったりする。見慣れぬ景色にワクワク感が高まる。

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夕方、とある道の駅に辿り着く。
目的地に向かってまだまだ移動は可能だが、夜になってから寝場所を探して
ウロウロするのも嫌なので、早めに車中泊ポイント決定。
道の駅内のレストランで夕食を済ませ、寝床の準備に掛かる。
車を駐車場の一番端に移動し、車内の荷物を片側に寄せマットとシュラフを敷く。
運転席と助手席の窓を開け網戸を掛けたが暑い、暑くて寝付けない。

少し離れた所にミニバンがやって来て、カップルがリヤゲートから荷物を降ろしている模様。
ちょっと耳障り。
何か灯りが見えたなと思いきや火。 BBQやってる・・・・・。

暑さと物音で眠れず悶々とするも、徐々に気温が下がっていつの間にか眠っていた。
翌朝6時、目的地に向かって出発。
今日はいよいよキャンプ!

つづく

 ※Oct 25 2008 修正加筆
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# by swedishcooker | 2007-09-28 10:43 | それは唐突に

それは唐突に 其之壱

仕事が空いたある日、何もする事が無く暇を持て余していたので
試しにキャンプ道具を車に積み込んでみることにした。

キャンプと共に車中泊も考えていたので、寝るスペースを確保するには
買い集めた道具全てを積むことは出来ない。
アレもコレも持って行きたくなる衝動を抑え、自分なりに必要最低限と思う物を用意していく。

 「テント、タープ、寝袋、マット、椅子とテーブル、調理器具、照明器具・・・」
 「やっぱり焚火もしたいなぁ・・・」
 「食糧は現地調達かな・・・あ、いや、万が一の為に缶詰とレトルト食品を・・・」
 「あ、そうそう、クーラーボックスも持って行かなきゃ・・・」
 「洗面道具や着替え、デジカメも要るな・・・」

荷物って案外多くなるものだなぁ。
と言うか、まぁ、そこまで深く考えていなかっただけなのだが。

愛車の古いステーションワゴンのリヤシートを倒し、用意した道具を積んでみる。
ああでもない、こうでもないと配置を変えながら積み込んでいく最中、ふと、頭をよぎる。

 「あ、このまま出掛けちゃおうかな・・・どうせ暇だし」

一度頭をよぎるとそれは欲望となり、ウズウズして堪らなくなる。
シミュレーションのつもりで積み込んでみただけなのに・・・・・・

つづく

 ※Oct 25 2008修正加筆
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# by swedishcooker | 2007-09-26 16:58