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相も変わらず 其之壱

 

秋も深まる11月の或る日、再びあの場所にやって来た。





人生なかなか上手くはいかない。しかし、悪い時がいつまでも続く訳でもない。
趣味のひとつとして新たにキャンプを加えたはいいが、体の故障により二度休止を余儀なくされた。
2度目の休止は今年の3月から。しかし、それもようやく終わりなのである。
本来ならもっと早くても良かったが、色々と都合により先延ばしにしてしまった。
幾つか呪縛が解け始めた頃から、今か今かと毎日欠かさず天気予報と睨めっこ。
お天気マークがズラッと連なった最高のタイミングで鬱憤を晴らしに出掛けた。


目的地はあの場所。
 (森への入口 其之壱 其之弐 其之参)
昨年11月に一度行って、あまりの闇の濃さに恐怖を感じた無料キャンプ場である。
なぜ再々始動の1発目に此所を選んだかというと・・・・・いや、特に理由は無い。
ただ、また恐怖を感じるかどうか試してみたい気はあった。


到着早々中に入り、前回と何か変わった様子が無いかどうか調べるようにあちこち観察する。
些細な違いはあるものの、特に大きな変化は無いようだ。何故かホッとした。
ここへ来る途中に買ったパンで昼飯を済ませ、再び車に乗り込む。まだ設営はしない。
というのも実はこの辺り、県内では幾らか知られた渓谷であり観光地なのである。
前回はこのキャンプ場までしか来なかったが、道はまだまだ山の上へと続いており
今度は紅葉の時季ということもあり、少々先まで行ってみようと考えていた。



   川に沿った道を進んで行くと、所々に滝がある。
   

   

まだ紅葉のピークまでには日数があるようだが、雰囲気はなかなかのものである。
クネクネとした道を更に上へ上へと進んで行くと、やがて林道との分岐に出くわし、林道や登山道を
指し示す案内板などが立っていたが、その中にこの地点で渓谷が終わる事を告げる看板もあった。



   こんなのもありました。
   

道は更に先へと続いていたが、まだ他に行きたい所があったので引き返す事に。
次に向かった先は神社、そしてその奥にある滝。 まぁ、前回来た時と同じなんですがね。

奥の駐車場に車を停め、参拝を済ませてから滝へと林道を歩き始める。
平日という事もあって人はかなり少ないが、すれ違う人と「こんにちは」と挨拶を交わす。
膝を修理したのもあるが、このところ運動不足だったので無理せずゆっくりと歩を進めたにも
関わらず、息は上がり膝も笑うので途中何度も休憩を入れた。
なんとか先へ進み、林道から滝への道との分岐点にある鳥居の手前まで来ると、そこには自転車に
乗って帰ろうとしているおじさんがいた。
「こんな所まで自転車を押して上がって来たのか!」
しかも自転車はスポーツタイプではなく、普通のママチャリか田舎の中学生が乗っているようなヤツだ。
なんて元気なおじさんなんだ!と、驚くと同時に自分の体力の無さを痛感した。



   

滝まで上がって来た時にはもうヘロヘロだった。
四阿で休みながら滝を見ていると冷たい風が駆け抜ける。
火照った体が冷まされると同時に体力が回復していく。
辺りは滝の音しかしない。
滝の水が流れ落ちるその音は、まるで自分の体へパワーが注ぎ込まれるような音にも思えた。

あと一踏ん張り、滝の前を横切って祠のある所へ向かう。
やはり徐々に息は上がり、足も上がらなくなる。
鎖場をひとつ越えた辺りで頭がクラクラし始めたが、なんとか祠まで辿り着いた。



   

   

   

前回来た時青々としていた山は、所々杉の緑があるものの綺麗に紅葉を迎え、苦労してここまで
登って来た者への御褒美として、その姿を見せてくれているかのようだった。

 ちょっと大袈裟ですかね(笑


   つづく
by swedishcooker | 2010-11-14 20:00 | 相も変わらず
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